◆◆◆「カッコイイお部屋探し」(楽器可物件の見つけ方)Vol.-12◆◆◆
こんにちは。 スピリチュアルランド、 MIYA-JUNです。
前回の話。
「やれちゃう訳サー。」と、かなりクセの強い「サー調」の喋り方でしたが、実はとてもイイ人です。
この不動産屋の御主人とこれから、永いお付き合いをする事となります。
<とある街○○の時代>、「安心材料貯金」
さて。完成度の高い図面も仕上がりました。引っ越しの日を迎えます。
事前に何度も、外周りの下見にやって来ては、近隣のお店の人などと、挨拶がてら会話したり、様々な角度から“探り”を入れつつ、感触を確かめています。
(小さい頃に好きだった、スパイ映画の影響もあり、用意周到です。)
なので、スムーズなスタートです。挨拶の感触は、悪くないものでした。
ご迷惑お掛けするかも知れない。喧しかったら一声欲しい。との旨を伝えたところ、特に困ったなと言う風でもなく、たいして気に留めていない感じ。ご丁寧にどうも、と言った所です。
「シメシメ」。これはこれで1つの「安心材料」となります。
「安心材料」と言えば、入居してみて初めて分かる事情もあります。
東向かいの青果店では、けたたましい深夜の荷下ろし作業。
下階に新しく入居した、雑貨店のお姉さんは、この建物の中庭で、真夜中の大宴会。
青果店の隣のカラオケ・スナックに至っては、ドアの閉め忘れで、通り全体に響き渡る大音量、長時間のアケッパ状態。
ある時、青果店の御主人に、「いつも喧しくしてすいません」と挨拶すると、「カラオケと比べたらね」との事でした。お互い様と言った所でしょうか。
「シメシメ」。「安心材料」が増えて行きます。
また、寛容なのか、オウヨウなのか、面倒だからなのか、どこからも苦情は出ていない様子です。
「シメシメ」と、「安心材料」を積み上げます。
その勝手にサバ読んだ「安心材料」を元に、音出しの音量は、次第にエスカレートして行きます。
知らぬ間に、とてつもない領域に達していた様で。・・・・・・
・・・・・・ある日、自主制作映画の音楽の打ち合わせ中、同席してた人物が血相を変えます。
「ちょつとサ。音量を下げようよ。何もそんなにドデカい音で鳴らさなくてもイイんじゃないの?。すぐそこに、人が暮らしてるんだよ。」
・・・・・・また、別の日。ボーカリストを読んでのレコーディング。
(私)「ボーカルの音量は、ノン・セーブでやってね。大丈夫だから。大丈夫。俺は普段、そうしてるもん。」
(ボーカル)「私には出来ないよ。セーブして歌うね。人が住んでいるんでしょ?。」
・・・・・・誠に申し訳ありません。調子に乗り過ぎていました。
いくら苦情が来ないからと言って、それは単なる私の誤解であり、認められた訳ではありません。
ある日、金属バットを手に、待ち伏せされる可能性だってあります。
気を付けます。
必要最低限、抑える所は抑える事にします。
そんな自慢のMyRoomスタジオですが、1つだけ難点があります。
音漏れし放題とは、裏を返せば、音の侵入し放題でもあります。
例えばボーカルのレコーディング中。・・・
「あーっ。バイクの音が入っちゃったよ。ごめんネ。録り直しと言う事で。」
・・・こんな調子です。
月額47000円。贅沢を言ってはいられません。
その後も、下階の雑貨店やアート・ギャラリーでは、数多くのライブやイベントが開催されています。
相乗効果なのでしょうか?。“音が出せる場所”なるイメージが、定着したからなのでしょうか?。楽器の音は、もはや“フツー”な感じとなりました。
ちなみにこの部屋、ワン・フロア丸ごとの約10畳。図面上の、家具や楽器や機材などの配置は、スペースを広く確保する様に設計しました。
あの宴会場跡部屋よりスゴイのでは?。とあるグループの新年会では、最大13人収容を記録しています。
・・・・・・ここでの暮らしも早17年。
カラオケ・スナックは、お蕎麦屋さんに。
青果店は、アクセサリー・ショップを経て、小料理屋に。
アンティーク・ショップは、雑貨店を経て、アート・ギャラリーと猫グッズ専門店に。
どんどんと、お店は様変わりして行きますが、土地の持つオーラなのか、賑やかな活気は全く変わりません。きっと、大昔からそうだったのでしょう。
とにかく苦情は来ていません。ありがとうございます。
皆様の寛容さのお陰です。神様に感謝します。ありがとうの気持ちは忘れません。
はてさて。元々ここには、“楽器可物件”と言った物は存在していませんでした。
それが今では、トップ・クラスの“楽器可物件”です。
さあ、あなたも。 “ナイ物をアル物に”してみてはいかがでしょう。
(続く)
最終章も間近となりました。最後に、もう一花咲かせるつもりです。
次回もどうぞ、よろしくお願いいたします。